地獄絵箱書

岩彩、金箔。制作年代不詳(巻一の衣服により、江戸時代中期の作品と伝わっています)。

人が死後に、秦広王・初江王・宋帝王など10人の王によって生前の罪が裁かれることを記した『十王経』を描いた<十王曼陀羅 七軸>です。

太宰治は、作品『思ひ出』の中で、幼い頃、女中のタケに寺に連れてこられ、その時にこの地獄絵を見たことを書いています。

(タケが)お寺へ度々連れて行つて、地獄極楽の御絵掛地を見せて説明した。(中略) 嘘を吐けば地獄へ行つてこのやうに鬼のために舌を抜かれるのだ、と聞かされたときには恐ろしくて泣き出した。 - 太宰治『思ひ出』