良寛は江戸時代末期の禅僧です。
出家し、生涯何ももたず、托鉢や乞食(こつじき)をして、子どもと遊びながら、仏道に人生を捧げました。

『自参曹渓道(そうけいのみちにさんじてより)』とあるこの書は、曹渓すなわち曹洞宗の道に入り、一心に修行していることを詠んだ五言律詩です。

良寛の文字は細く、すべてをそぎ落としたようにさらっと書かれています。
夏目漱石が良寛の書を好きだったことも有名です。


本堂地獄絵の並びに展示していますので、ぜひご覧ください。

自参曹渓道 千峰深閉門
藤纏老樹暗 雲埋幽石寒
烏藤朽夜雨 袈裟老暁煙
無人問消息 年々又年々

曹渓道…曹洞宗の道
烏藤…藤の杖

曹渓の道に参じてより 千峰深く門を閉づ
藤を纏ひて老樹暗く 雲に埋みて幽石寒し
烏藤夜雨に朽ち 袈裟暁煙に老ゆ
人の消息を問う無し 年々又年々

曹洞宗の道に入って、山奥で一人静かに修行している
藤に覆われて山の木は暗く、雲が厚くて石も冷たい
杖は夜の雨に朽ちてきて、法衣は朝もやに古びていく
わたしの安否を尋ねてくる者はいない 
そんな日々が重なっていくのだ